「銭湯初めてなんです」ってお客さんが、良くお見えになって下さいます。

「いくらなんですかぁ」と、「460円です。どこの銭湯も同じ料金なんですよぉ・・・・・」って、風呂屋の親父のくだらない話にも耳を傾けて下さり有り難いです。

五百円玉をお出しになって、十円玉4枚のお返しです。

「有難うございます、寒いからよく温まって下さいねぇ」って。

また次のお客さんがお見えです。「今日は珍しく忙しいかも?」です。

千円札を一枚お出しになられました。

「540円のお返しです。有難うございます」って、当方は毎日こんな調子でぼけっとお店に立っていますが、この所の釣銭の十円玉の消費は凄いんです

風呂銭が今よりも十円安い450円だった時は五十円玉が不足し、十円玉は余ってしょうがなかったんですが、現在の料金では逆転してしまいました。

釣銭に用意する十円硬貨は、金融機関で両替してもらえるので何の苦もないんですが、受け取る側のお客さんも十円玉ジャラジャラで何となく嫌な感じではないんでしょうか。

10円や60円を添えて、十円玉の釣銭を回避される方も多くお見掛けします。

銭湯の組合では、小銭いらずのキャッシュレスな共通入浴券と言う十回分の割引の入浴券も販売しておりますが、巷の大手小売店はこぞって最新式のカードで支払いをしているようで、「いつかは銭湯もこんなふうになるのかなぁ」なんて、漠然とですが思う事があります。

便利すぎる程便利な世の中で、「お風呂屋だけは」は通らない時代に突入して来たようにも感じてしまいます。

そうは言っても「激減する銭湯では」何をやるのも難しいんでしょうか。

それなら料金を「切りのいい価格に」って、切り上げか切り下げか、答えはいつまでも出ないような感じがします。

また今日も「はい、40円のお返しです。有難うございます」って、いつものようにお店を開けました。

「いかがでしょうか、たまには銭湯へ」460円握りしめてお見えになってみて下さい。

いつものように「有難うございます」です。